[雪山部] Cerevo XON SNOW-1 を使ってみた

[雪山部] Cerevo XON SNOW-1 を使ってみた

Clock Icon2016.03.03

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雪山部の渡辺です。

先日、クラスメソッド雪山部で滑りにいってきました。 雪山部、今シーズンはは3回目の活動です。 東京メンバーが札幌オフィスでリモートワークしながら滑りに行っています。

さて、Cerevo社と縁がある部員がいたため、話題のハイテクバインディングXON SNOW-1をお借りできました。 IoTデバイスの一種ということで、カムイスキーリンクスにてフィールドテストを行わせていただきました。 本日のエントリーは、そのお礼を兼ねてレポート(辛口)となります。

snow

滑りのテクニックを可視化するスマートフォン連携型スマート・バインディング

これは、XON SNOW-1のキャッチコピーです。 一言で言えば、スノーボードで滑走時、荷重状態などをスマフォアプリで可視化するアイテムです。 これまで「感覚」でしか解らなかったもの、なんとなくでしか伝えられなかったものが、数値化されます。

例えば、スノーボードではターンの導入時に前足に荷重を移動させることが大切です。 前足に荷重をかけつつターンのきっかけを作り、ターン中は後ろ足に荷重を移動させていくと綺麗なターン弧で滑ることができるのです。 そして、また次のターンに入るには前足に荷重を移動させていくということになります。

今、文章で理論を説明し、おそらくは「なるほど」と思うことができるでしょう。 でも、実際に滑ってみると、簡単にはできません(笑) そして、「本当にできているのか?」と判断できるには、多くの経験を積んで熟達しなければならないのです。

このデバイスとアプリを使うと、荷重状態が可視化されます。 荷重がかかっているタイミングでは、対応する足の部分が赤くなるため、動画と同調させて「このタイミングでちゃんと踏めている!」「ここは修正すべきだ」ということが見えるようになります。

単純にガジェット好きにとってたまらないアイテムでもあります。 ですが、レッスンやトレーニングに大きく貢献するアイテムです。

自分も存在は知っていましたが、値段が値段(約7万)ゆえに試すことはないかなと思っていました。 運良く試すことができたのは非常にラッキーだと思います。

細かい仕様などについては、こちらに詳しく解説されていますので、あわせてご覧ください。

準備

XON SNOW-1はバインディングとアプリで提供されています。 なので、板(ボード)とブーツは普段利用しているギアに、センサー類のついたバインディングに取り替えることになります。 バインディングの付け替え自体は普段から行うことですので手間ではないのですが、やはり自分のバインディングを使いたいなぁとは思いました。

アプリケーションは現在、iPhone版のみがリリースされているようです。 アプリをインストールし、Bluetoothのペアリングを行えば、概ね準備は完了です。 アプリのUIは近未来的でセンスが光っていると思います。 問題は腕が悪ければそのまま反映されることでしょう(笑)

それは剣というにはあまりにも大きすぎた

薄々は感じていたのですが、取りつけてみた時に最初に浮かんだのは「ガッツのドラゴン殺し(ベルセルク)」のコレでした。

スノーボードでは、板で2.5kg-3kg程度、バインディングで750-900g程度です(上位グレードであれば軽いのはお約束)。 しかし、このXON snow-1はバインディングだけで2.7kgもあります。 スノーボードに取りつけ、持ち上げた時の感覚は、まさに「鉄塊」でした(笑)

とはいえ、実際に滑ってみると、想像よりは重さを感じませんでした。 流石にこの装備で、跳んだり回したりするのは辛いと思います。 フリーランでターンをする分にはそこまで重さは気にならないかもしれません。

どちらかというと、XON SNOW-1の厚さが大きな違和感と感じました。 普通のバインディングだと1cm程度は板から底上げされてブーツがある感じですが、XON SNOW-1センサーやバッテリーが入っている分3-4cmくらいの厚みがあります。 このため、滑っている時に「なにか分厚い鉄板」に乗っている感覚でした。

荷重位置の可視化

スマフォアプリでは取得したデータを再生し、荷重状態などを可視化できます。 また、同時に動画撮影を行うことができるため、動画とセンサーの情報をオーバーレイ再生することができます。

ターンに入るタイミングで前足をしっかり踏んでいるか?ターンの後半で後ろ足に荷重が乗っているか?スムーズに荷重が移動できているか?などを、実際に滑っている状態と同調させて見ることができるのは感動です! やはり、上手い人に使って貰って教材動画を作ったり、練習している人の動画を撮ってレクチャー材料にしたりと、ガジェットで遊ぶという感覚よりも、スクールで生かした使い方がピッタリではないでしょうか? 滑りを比較してみても面白いサンプルがとれそうです。

こちらは雪山部の被験者3名の様子を動画にまとめたものです。

なお、アプリで撮影する人はBluetoothの有効範囲(15mくらい)で追い撮りをしなければなりません(笑) これはなかなか難しい上に、寒い中でのスマフォ利用なのでバッテリーがあっという間になくなってしまうという問題がありました。 動画はXON SNOW-1対応のアクションカメラも出る予定とのことなので、そちらを利用することが推奨でしょうね。

使ってみての感想

今回のCM雪山部では5名の部員が参加していました。 1人はスキーだったので被験者は4人だったのですが、スマフォのバッテリーが切れてしまい、体験したのは3人です。 各自の感想はこんな感じです。

こむろ氏(モバイルアプリサービス部)

  • Android版はよ!
  • 思ったよりかは重くなかったので意外と普通に滑れました
  • 謎の浮遊感があってちょっと新鮮
  • 滑ってる自分自身は荷重とかビンディングのライトとか、あんまり見えないので何かフィードバックがあると楽しい
  • フルフェイスヘルメットかウェアラブル眼鏡に、情報が視界にオーバーレイして表示できる未来を期待
  • ビンディングのビジュアルはアイアンマンのような感じで、かっこ良くてとても良い
  • ビンディングの装着がちと面倒
  • 板におもりが2つ乗る感じになるからか、滑りはそれなりに安定していた気がします

よしはら氏(モバイルアプリサービス部)

  • 価格が高い。
  • Android版のリリースお願いします!!
  • 本体の電源スイッチの感触がわかりづらく、素手でないと電源ON/OFFがやりづらい。
  • トゥーキャップの角度調整次第だが、ブーツ(DEELUXE)とのマッチングが少し気になった。
  • BLE認識はかんたん
  • 板に取り付ける重いが、滑ると重さは感じない。
  • ボードからの雪面の感触がほぼわからない。
  • 晴天時のゲレンデではLEDの色がほぼ見えない。
  • 1人で自撮りするのは結構大変。
  • ビンディング電池よりも早くiPhoneの電池が切れる。
  • アプリで撮影した映像がアプリのみで閲覧可なのでエクスポート機能が欲しい

渡辺(AWSコンサルティング部)

  • オーバーレイした映像がなまらカッコイイ!
  • 画像撮らないと魅力半減
  • 追い撮りで15mくらいをキープするのが結構難しい
  • トレーニングやレッスンに凄く良いと思う
  • 比較してみると荷重のかけ方って違うんだなぁと解る
  • やはり重い、そして高い
  • 自分のバインディングで使いたい
  • フレックスはあまりなくてもいいかも、荷重センサーだけブーツ裏につかないかな?
  • 板に乗っている時の感覚が「分厚い鉄板」に乗っている感じだった

まとめ

どんなスポーツでも言えることだと思いますが、理想通りに身体を動かそうとしても、自分自身がどう動いているのかを感じることは非常に難しいものです。 言い換えると「自分がどう動いているかを感じる」ことができれば熟練者なんですよね。 動画などを撮ればどこが噛み合っていないかを掴むことができますが、それもある程度の経験です。 こういった熟練者でなければ表現できない「感覚」を可視化するのが、XON SNOW-1のようなデバイスです。 上手く利用していけば、上達をサポートしてくれることは間違いないと思います。

とはいえ、やはり愛用のギアで利用したいというのが本音です。 値段もお高いですが、この機能が自分の板で使えるならば、買ってみたいと思いました。 個人で買わなくとも数人でシェアして使うならば高いとは感じないと思います。 取得できるデータは少なくとも、稼動時間は短くとも、アタッチメント形式か薄いプレートで実現出来ませんかね?

というわけで、未来を感じることのできるスマート・スポーツブランド「XON(エックスオン)」は今後とも要チェックですね!

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